Aki Machida
日本人だからって、皆同じじゃないです。
まず第一に忘れてならないのは、咸臨丸で日米修好通商条約の批准書交換のために太平洋を渡った勝海舟、福沢諭吉、ジョン万次郎から始まった日米の関係です。ちなみにコルマという街に日本人墓地があって、咸臨丸航海時に病死した船員がまつられています。この時代の方は存命されていませんので、4つのグループからは除外です。
1849年のゴールドラッシュで大量に渡米した中国人が一度排除され、日本人が昭和初期に渡米しましたが、勤勉さが災いしてトラブルになり始めていた頃に真珠湾攻撃・太平洋戦争がはじまり、日本人はアメリカンインディアン居住地の強制収容所に追いやられてしまいました。https://www.pbs.org/video/before-they-take-us-away-hzq9jg/
この人たちが第1グループです。

一部の若者はアメリカ市民としての権利を認めさせるべく、軍隊へ志願しました。
『442日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍』です。この有名な部隊はGoForBroke、死んで威厳を、生き残って栄誉を勝ち取ろうという戦死者がとてつもなく多い凄まじい気概だったのです。最も有名な元日本人はダニエル・イノウエでしょう。彼の右腕損失の話は壮絶です。志願者の中にはMISに行って、日本の山本五十六の飛行情報を傍受していたことが元兵士の証言をまとめた映画に出てきます。ロサンゼルスのコミュニティー紙にも生還者のインタビュー記事があります。
この戦前派の第1グループは日本に対して良い感情を持っていない人達も居ます。日本が戦争なんか始めるものだから、幸せな生活を剥奪されてしまったからです。でもこの人達がいるおかげで、日本人の主権回復と人種差別の事実に対する謝罪を政府から勝ち取ったのです。立ち位置は少し違いますが、私には尊敬の念以外の感情はありません。特にダニエル・イノウエ氏やノーマン・ミネタ氏はそれぞれオアフとサンノゼ空港に名前が冠されている偉人であります。
ちょっと頭に入れておいたほうが良いのは、世界抗日戦争史実維護連合会(Global-Alliance)という抗日・反日ロビー活動を主体とする中国系アメリカ人による団体の本部がカリフォルニアのクパチーノにあります。駐在さんが好んで住んでいるクパチーノです。私書箱はSanCarlosにありますね。会社としてもお付き合いする時にGlobal-Allianceとか、長い名前を省略したALPHAとかが付く会社名の場合はちゃんと調べたほうが賢明です。お店でも街でも中華系の中に日本人と判るやいなや突然反日的姿勢を見せる方が居ます。こうした組織が第1グループの反日感情を利用して、マイク・ホンダといった議員に献金をし、慰安婦問題を提起したりしてきました。南京大虐殺の本の著者はスタンフォード大学の方ですし、ライダイハンそっちのけで従軍慰安婦像をサンフランシスコの中華街に設置したのもこのグループが関わっています。ということで、ちょっと気をつけましょう。
香港や、れっきとした台湾(大陸から来た台湾人ではなく、台湾生まれの生粋の台湾人)の方はむしろ日本大好きです。中国本土から来ている人や韓国から渡米してきている人たちにもグループイズムがあり、親日な人も多いですから、あまりステレオタイプになる必要はありません。
でも、マンザナールはとても遠いですので、数時間あれば、是非SanJoseの日系アメリカ人博物館には行ってみてください。
第2のグループが第1グループの子孫たちと、戦後に渡米して米国市民になった日本人たちです。このグループは選挙権もあるし、アメリカに骨を埋める人たちです。海外に行っている間に政変が起きたときは軍用機ですぐに米国本土に戻れます。犯罪を起こしてしまったら、アメリカで裁かれてアメリカの刑務所に行きます。概ね日本に対しては比較的友好な感情を持っています。ただ、日本が二重国籍を認めないことでこだわりを抱いている方も居ます。
第3のグループがグリーンカード(GC)の永住権組です。選挙権はありませんが、10年ごとに更新して、居たいだけUSに居られます。生活力 120%の人たちです。他のアメリカ人同様、仕事の選択幅は広いですが、切られるときも遠慮はありません。バサッと首にされます。犯罪を犯すと国外追放となります。将来的に日本に帰る道を保持したいので日本への郷愁は高いのですが、日本は最近特に変わっているところがありますので、浦島太郎にならないように振る舞わなくてはいけません。日本に居る親族の老老介護など、長期にアメリカを離れたいときは再入力許可証が必要ですが、取得には一年以上の時間がかかるようです。また、日本に戻ってUSの永住権を放棄しても十年はUSの確定申告をしなければなりません。
第4のグループがビザ組です。学生やJ、L、E などというビザの種類がありますね。辞令で来て辞令で帰る人達が多いです。殆どが会社や組織に紐付きで縛られてますから、転職などは一旦日本に戻る必要があったりなど、なかなか大変です。グリーンカード組から見ると、「お客様」の領域を出ていません。バケーションとか、島流しとか揶揄されるケースも有るようです。近年は少しUSで活動ができ始めると、USに残って一人でもやっていけるのではないだろうかと、覚醒します。私もそうでした。しかし、この覚醒は単なる「錯覚」かもしれません。これ、要注意です。仮にグリーンカードをサポートしてくれる会社が見つかっても、転職先の会社の規模でステータスが変わります。私の場合は夢を追いかけてスタートアップに移ってしまったために「HP・アジレントの町田さん」から、普通の町田さんに落ちました(ブログ参照)。実際に叩き落された感がありました。アップルやグーグルとかでしたら、きっと逆に「卒業」などと羨まれたのでしょうね。あと、各種の補助が全て断ち切られます。それらを補完できる、日本の3倍以上の給与の仕事につかねばなりません。さもなくば、場合によっては帯同者も働かないとやりくりできない状況になります。この精神状況は期待と不安(リスク)と我慢のせめぎあいです。
我慢や窮屈の状況から飛び出したい方は、まず就労資格の獲得です。これが無ければアメリカに居られないのですから。次に自分の価値を見積もって下さい。優秀なアメリカ人を差し置いて、就労させてもらえるためには何かに秀でていなければいけません。さもなくば、事業を始めるか、起業という選択肢があります。アメリカ人と結婚してコンディショナルなGCを得るとか、DVプログラム(GC宝くじ)に毎年応募するという他力も忘れないようにしましょう。
この辺りの話は食事と引き換えにお話いたします。
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最初は履歴書だけでもLinkedInだけでも結構です。